コラム

バフェットは銀行株も売り!

杉田勝です。

5月16日のブルーンバーグによれば、「ウォーレン・バフェット氏率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは15日、ゴールドマン・サックス・グループ株式の持ち分を1-3月(第1四半期)に84%減らして192万株としたことを当局への届け出で
開示した。バークシャーはゴールドマン株を長期保有しているが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う金融市場の混乱で、同社の株価は1-3月期に33%近く下落した。」と伝えられています。

バークシャーとゴールドマンサックスの関係は08年のリーマンショック時に遡ります。バフェット氏は当時、窮地に追い込まれていたゴールドマンに救いの手を差し伸べました。もともとバフェット氏はよくわからないものに投資することはしない主義だったのですが、にもかかわらず宗旨替えをして大株主となっていました。

そのゴールドマンサックスを売るということは、航空株売却の時と同様、「世界は変わった」という理由でしょうか?!
米銀株はバフェットの「お気に入り」として知られているセクターです。ゴールドマンのほか、バンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェースの大株主として名を連ねており、バフェットは米経済の将来に「強気」で、その恩恵を最も受ける米銀株を好んでいたと言われています。

ただ、今回はJPモルガン株、米大手地銀であるUSバンコープ株の一部売却もしています。5~10年単位でみて、銀行にはもう成長は期待できないとバフェット氏は判断したのでしょうか?
このニュースはマスコミでは大きく取り上げられました!

が、バークシャーのポートフォリオを見る限り、先月の「航空株全部売却」ほどの大きな話ではなさそうです。
単なるポートフォリオの調整だったのかもしれません。

84%減らしたゴールドマンについては、バークシャーのポートフォリオ全体のシェアのうちのたった1%強に過ぎず、JPモーガンも3%強ですが、後者についてはそのうちの3%程度を売却したにすぎません。銀行株でバークシャーのメジャーなポジションはバンク・オブ・アメリカの13.46%ですが、それにまったく手を付けていないことからもわかります。

マスコミの騒ぎすぎ...!

杉田 勝