コラム

中国が武漢を早期ロックダウン解除したのは?

杉田勝です。

中国は4月8日午前0時に2か月半ぶりの武漢のロックダウンを解除したと発表しています。
何万人というコロナ陰性の武漢人が中国各地に散らばっていったようです。

日本の地上波テレビではまったく報道されていませんが、SNSでは中国四川省で感染爆発が起こっているようです。
また、ロシアに居る中国人感染者がロシア側から強制的に中国黒龍江省に追い返されているために、黒龍江省にかなりの感染者が増えていると伝えられています。

また、4月15日の日経新聞は、広東省広州市に居住するアフリカ人約5千人が中国の新型コロナウイルス対策を巡って不当に差別されているとの批判が高まっていると伝えています。
ネット上で「千人以上のアフリカ人が感染している」とのデマが広がり、感染にかかわらず隔離が徹底され、自宅を追い出される例もあるといいます。

コロナ第2波がすでに起き始めているかもしれない状況下で武漢の封鎖解除を決めた中国の狙いは何なのか?

考えられるのは、対外的に中国は他国に先んじて新型コロナウイルスの封じ込めに成功したと喧伝するため。
と考えるることもできますが、第2波を無視するというリスクを冒す価値があるほどのことではありません。

本当の目的は、失業者対策ではないかと思われます。
中国政府にとって最も恐ろしい状況は失業者増加で制御できないくらいの大きなデモ・暴動が起こることです。
あの700万人の人口の香港ですら半年前の民主化運動で200万人のデモがあったことは記憶に新しいですが、中国本土は分母が巨大です。

ということを恐れるあまり、第2波のリスクを冒してでもとにかく労働者に職を与える戦略だと思います。

杉田 勝